火星(かせい)とは:紫微斗数での意味と入る宮ごとの読み方
同じ星でも、どの宮に入るか、どの星と組むかで意味が変わります。星一つだけで吉凶は決められません。
火星(かせい)は紫微斗数の六煞星の一つで、鈴星(れいせい)と並べて「火鈴」と呼ばれ、せっかちさ、爆発、突発事と、真っ先に飛び込む瞬発力をつかさどります。生まれ年の地支と時刻で配置され、同じ年生まれでも時刻で入る宮が変わります。
配置:年の地支で組を分け、時刻を数える
火星はまず、生まれ年の地支がどの組に属するかを見ます。寅午戌、申子辰、巳酉丑、亥卯未の四組で、組ごとに起点が違い、その起点から生まれた時刻の順に一宮ずつ数えて、たどり着いた宮が火星の位置です。鈴星は別の起点を使うので、火星と鈴星が同じ宮に入ることはありません。寅午戌年生まれでは二つの星が一宮あけて並び、間の宮をはさみます(古書の言う「火鈴夾命」)。申子辰年生まれでは二つは三合の位置にあり、それ以外の年は隣り合うか、ずれた位置にあります。
時刻に左右されるため、火星の位置は年干だけで決まる禄存星(ろくぞんせい)や天魁星(てんかいせい)より大きく動きます。時刻が一つずれれば火星の宮も変わります。生まれた時刻がはっきりしない人が火星を控えめに読むべきなのは、このためです。
輝度:同じ火でも明るさは大きく違う
当サイトの命盤作成で使っている輝度表(輝度は廟・旺・得地・利益・平和・不得地・陥の7段階)では、火星は寅・午・戌で「廟」、巳・酉・丑で「得地」、亥・卯・未で「利益」、申・子・辰で「陥」です。火星はもともと火の性質なので、寅午戌で最も力を発揮し、申子辰で最も抑えられます。
廟の火星なら、勢いはたいてい成果に結びつきます。陥の火星は、急いだのに結果が出ないことが多く、かんしゃくや小さなアクシデントも増えがちです。火星を読む前に、まずどの地支にあるかを確かめてください。
火貪:最もよく語られる組み合わせ
火星と貪狼星(どんろうせい)が同じ宮にあるものを火貪、鈴星と貪狼星が同じ宮にあるものを鈴貪と呼びます。『紫微斗数全書』巻二には「貪狼遇火、名為火貴格、三合照身命是也」とあり、貪狼星が火星に遇うのを火貴格と呼び、三合から命宮・身宮を照らす場合もこれにあたる、という意味です。当サイトでは、チャンスが突然訪れ、お金や名声が一気に立ち上がると読みます。上がるのが速ければ下がるのも速く、守り切れるかどうかは主星の格局と、蔵にあたる田宅宮で見ます。
火星が七殺星(しちさつせい)や破軍星(はぐんせい)に遇うと勢いは倍になり、新しいことを切り開く仕事やスピード勝負の仕事に向きますが、衝突やけがにもいっそう気をつける必要があります。天同星(てんどうせい)、太陰星(たいいんせい)、天梁星(てんりょうせい)のような穏やかな主星に遇うと、外は穏やかで内はせっかち、という形になりがちです。三方四正に火星と鈴星が同時に見えると、せっかちさと鬱屈の二種類の火がそろい、気分の浮き沈みが大きくなります。
火星・鈴星・擎羊星の見分け方
火星は目に見える火で、その場で爆発し、来るのも去るのも速く、態度が変わるのも速い星です。鈴星は隠れた火で、その場ではこらえ、あとになって鳴り出します。擎羊星(けいようせい)は刃で、衝突や競争が直接的で、決断に重きがあります。陀羅星(だらせい)は引きずる星で、物事をいつまでもこね回します。
四つとも煞星ですが、働きはそれぞれ違います。火星の問題はたいてい「速すぎる」ことにあります。話すのが速すぎる、決めるのが速すぎる、手が出るのが速すぎる。ですから火星には速度を落とさせることが大切で、陀羅星の引き延ばしへの対処とはちょうど逆です。
仕事・金運・恋愛における火星
火星は、期限があり、現場があり、突発的な事態が起きる仕事に向いています。営業の追い込み、イベントの運営、危機対応、新規事業の立ち上げ期などです。毎日同じことのくり返しで会議ばかりの環境では、火星の強い人は自分から火種を探してしまいます。
お金は入るのも速く出ていくのも速いので、収入があるたびに手をつけない分を先に取り分けておくのが、いちばん実用的な習慣です。恋愛では熱くなるのも速く、けんかになるのも速いので、けんかのときに越えない線をいくつか先に決めておくほうが、あとで謝るより役に立ちます。
火星がよく読み違えられる点
火星があるからといって、気性が荒いとか人柄が悪いということにはなりません。この星が語るのはテンポの速さです。火星の強い人の多くは身内をかばい、責任を背負う勇気があり、何かあったときにいちばん早く動きます。
火星があるからといって、アクシデントが絶えないわけでもありません。伝統的な注意は、急ぐ、カッとなる、足元を見ない、という点にあり、車の運転、火の扱い、重い物を運ぶときに少しゆっくりすれば、この面はかなり薄まります。吉凶は輝度と同じ宮の主星を合わせて見るもので、火星一つだけで結論を出しても当たりません。
十二宮別に見る火星
命宮ならせっかちで反応が速い人。兄弟宮なら同年代との間でけんかも仲直りも速い。夫妻宮なら恋愛は熱くなるのが速く、衝突も直接的。子女宮なら年下の人を教えるときに気がせく。財帛宮ならお金の出入りが速い。疾厄宮では、伝統的に急いだための小さなけがや無理のしすぎに注意を促すので、忙しいときこそペースを落とすことを意識してください。
遷移宮なら外では思い切って突き進み、予定を詰め込むとミスが出やすい。奴僕宮なら周りに突進型の人がいる。官禄宮なら立ち上げや火消し役に向く。田宅宮なら家探しや引っ越しの決断が速く、家の中がにぎやか。福徳宮なら心が落ち着かない。父母宮なら目上の人がせっかち。どの宮でも、主星と輝度に立ち返って見ます。
火星は身主にもなります。旧暦の子年・午年生まれ(ねずみ年・うま年)の人は身主が火星で、命宮に火星があるかどうかとは別の話です。命主・身主の調べ方と読み方は、紫微斗数の命主・身主とはをご覧ください。