貪狼星(どんろうせい)とは:性格・恋愛・仕事の特徴(紫微斗数)
同じ星でも、どの宮に入るか、どの星と組むかで意味が変わります。星一つだけで吉凶は決められません。
貪狼星(どんろうせい)は紫微斗数で欲望の星とされ、化気(その星の働きを一言で表したもの)は「桃花」です。多芸多才で反応が速く、人付き合いは本能のようなもの。大勢の中で真っ先に場を盛り上げ、真っ先に新しい講座に申し込むのは、たいていこの人です。欲が多く好奇心が強く、一生を学ぶことと遊ぶことの周りで過ごします。この熱をうまくまとめられないと、三つのことを同時に始めて、一つも終わらないことになります。
貪狼星の性格:まず手を伸ばす桃花の星
貪狼星が物事に向き合ったときの最初の反応は「それも欲しい」です。新しいレストラン、新しい楽器、新しい仲間。匂いをかぎつけると手を伸ばしたくなります。ひと言でいえば、好奇心のほうが忍耐力より勝っているのです。化気が桃花というのは、人との縁、惹きつける力、何でも学びたい気持ちのことで、恋愛が乱れるかどうかとは別の話です。
反応が速く、場を持たせることができ、部屋に入ってくるだけで空気が温まります。美しいものへの直感があり、服装・音楽・食べ物でも自分のスタイルを作れて、友人の中ではよくイベントを言い出す人です。覚えが速いのは本当ですが、一つを実らせるには、やはり本当に練習する必要があります。輝度(廟・旺・得地・利益・平和・不得地・陥の7段階)でいうと、貪狼星は辰・戌・丑・未で「廟」、子・午で「旺」、巳・亥で「陥」です。子・午にあると場の盛り上げ方や人付き合いが特に目立ちますが、恋多き人かどうかはやはり命盤全体で見ます。
好奇心を一つの成果にまとめる
貪狼星のいちばんの強みは、覚えが速く、遊び上手で、人の記憶に残ることです。本当に好きなことに出会うと、集中力は実は驚くほどです。講座に申し込んでも途中まで、楽器を買っても練習しない、計画を三つ始める。これも同じ性分から来ています。
遊ぶのはかまいませんが、遊んだあとに何かを残しましょう。一度に一つのことに真剣に付き合い、区切りまでやってから次に移る。欲しいものは書き出して順番を待たせ、三つを同時に始めない。「次のほうが面白い」をいつも理由にしていると、才能はずっと新鮮なまま止まり、完成品が生まれません。決めたことはやり遂げ、決めなかったことは丁寧に手を引きましょう。
貪狼星と同じ宮に入るのは紫微星・廉貞星・武曲星、七殺星・破軍星とは三合
紫微星(しびせい)は帝星で、場と立場と支える仲間を求めます。紫微星と貪狼星が同じ宮に入る形を紫貪と呼び、卯・酉にあります。貪狼星が子・午に単独で入るときは、対宮が紫微星です。紫貪の同宮では立場と欲が同じ宮に重なり、人に覚えてもらえる一方、何でも試したくなりがちです。この宮を読むときは、求めているのが人に見てもらえる席なのか、あちこちに手を伸ばすことなのかを見分けましょう。
廉貞星(れんていせい)は副次の桃花で、魅力ともめごとが一緒にやってきて、ハードルが高く、愛憎が濃い星です。貪狼星は正の桃花で、興味が多く、覚えが速く、まず場が温まります。二つが同じ宮に入るのは巳・亥で、貪狼星の輝度は「陥」になり、惹きつける力はとても強いぶん、線引きと控えめさをより練習する必要があります。貪狼星が寅・申に単独で入るときは、対宮が廉貞星です。
武曲星(ぶごくせい)は実行と帳尻合わせをつかさどる星です。武曲星と貪狼星の同宮は丑・未で、貪狼星が辰・戌に単独で入るときは対宮が武曲星です。同宮では、稼ぐ手と遊びたい手が同じ人についていて、道は見つけられても、次の場のために規律が崩れやすくなります。この宮を見るときは、お金が仕事をやり終えたから入ってきたのか、場のほうが先に動いたのかを見分けます。破軍星(はぐんせい)・七殺星(しちさつせい)は貪狼星と同じ宮には入りません。殺破狼は常に三合で、七殺星は突き進み、破軍星は壊し、貪狼星は欲しがります。三つの宮をあわせて読むと、同じことがひっくり返されて表に出てきます。新しいことを切り開ける一方、働きすぎや過熱にもなりやすいので、損切りの線を先に決めておきましょう。
貪狼星の仕事運・金運:人脈と才能は道にもなり、漏れ口にもなる
仕事では、営業・エンターテインメント・芸術・広報・飲食・イベントのように、人間味と新鮮さの両方が必要な立場が向いています。型にはまった手順だと退屈して辞めてしまいます。場を盛り上げ、人を連れてくることにやりがいを感じますが、一つの技を人に納品できるところまで磨くと、そのやりがいはもっと安定します。盛り上げるだけで締めくくらないと、チャンスはいつも次のテーブルにあります。
お金の面では、収入が人や場と結びつくことが多く、財布のひもはゆるめです。機会からのお金が来ても、貯まるとは限りません。化禄が貪狼星のいる財帛宮や官禄宮に入れば、場と収入がそろいやすくなり、化忌が入れば、取り分・お試しの出費・請求の後始末が必要になります。大限(10年運)や流年(年運)で貪狼星のいる宮に回ってくると、その数年は誘いも欲しいものも増えるので、出費の上限を先に書いておきましょう。
貪狼星の恋愛・人間関係:熱しやすいから、線は自分で引く
友人の中では人付き合いの達人で、どんな相手ともうまくやれます。人脈の広さは実力ですが、損をするのはたいてい、遊び仲間・仕事仲間・身内の区別がつかないときです。毎日誘いがあるほどにぎやかである必要はなく、止めてくれる人、自分を盛り上げ役扱いしない人が何人かそばにいるほうが、長く続きます。
恋愛では、一緒に遊び、一緒に学べる相手を求めます。惹きつける力が強いぶん、いちばん学ぶべきは線引きと控えめさで、「これもいい、あれもいい」を自由と取り違えないことです。まず自分が相手を大事にしていることを伝え、それぞれ自由に楽しんでいいこと、二人でするべきことをはっきり話しましょう。そもそもこの関係に属さないにぎやかさもあります。そうした場に一つ行かずにいれば、相手は覚えています。
貪狼星は浮気性?それはたいてい誤解
いちばんよく聞くのは、貪狼星は浮気性で、必ずほかに誰かがいるという話です。桃花と才芸が表すのは人との縁、惹きつける力、何でも学びたい気持ちで、恋愛のよしあしは決められません。とても一途な貪狼星も多く、ただ心から話が合う相手を必要とし、空気のように扱われるのに耐えられないだけです。
貪狼星は遊ぶばかりで腰が定まらない、と言う人もいます。実際は興味が多すぎるだけで、一つにまとまれば、遊びを専門の域まで高められます。「何でも少しずつできる」を志がないと読むと、覚えが速いという本物の力を見逃します。
貪狼星は必ず芸能の道に進む、あるいは何でもとことん試していい理由になる、と考える人もいます。この星の舞台は、契約をまとめること、チームを率いること、ブランドを作ること、教えることにもあります。欲しいものもやはり順番を待たせる必要があります。この星を好き放題の許可証と読むのが、いちばん高くつきます。
貪狼星の化禄・化権・化科・化忌:本命・10年・1年の読み方
貪狼星自身は化禄・化権・化忌になり、化科にはなりません。化禄は欲・場・縁が開かれることですが、扉が開いただけで、結果は自分次第です。化権は権限と責任、前に進める力で、人付き合いの手腕、場を仕切る力、才芸が表舞台に押し出されます。化科が貪狼星のいる宮に入るなら、評判と秩序で、すでに実らせた一つが名指しされるので、それを安定させることが大切です。化忌はこの宮の「欲しい」が詰まった状態です。学んではすぐ放り出す、人付き合いが過熱したあとに何も残らない、あと一つあれば完成なのにといつも感じる。どれも片づける必要があります。
本命の四化は、貪狼星の宮で一生何度も突きつけられる欲のテーマを見ます。大限の四化は、ある10年にどの分野が大きくなるかを見るもので、どれを実らせるべきかを確かめるのに使えます。流年はその一年の熱だけを見ます。同じ宮に化禄と化忌が同時に来ると、機会と次の場への誘惑がそろってやってくるので、上限を書いてから手を伸ばしましょう。
当サイトの四化表では、貪狼星は戊年に化禄、己年に化権、癸年に化忌になります。大限や流年で貪狼星のいる宮に回ってくると、その宮は学ぶこと、遊ぶこと、人に見られることで忙しくなります。自分の貪狼星がどの宮にあり、四化が入っているかは、命盤全体を作成して見るほうが、「桃花の星だから恋多き人」と聞くより確かです。戊・己・癸年生まれの人の読み方は、別のコラム貪狼星の四化の読み方にまとめています。
この熱を実りに使う:十二宮は名前を入れ替えるだけではない
熱いのはかまいません。散らさないことです。一度「もう十分」と言えるようになると、伸ばした手が返しきれない借りになりません。欲しいものは書き出して順番を待たせ、一度に一つずつ実らせるほうが、何でも少しずつ試すよりずっと得です。
同じ貪狼星でも、命宮なら何でも試したい。夫妻宮なら恋愛は熱く、控えめさが必要。官禄宮なら人付き合いで食べていく。財帛宮なら機会からのお金に上限を。疾厄宮なら体が付き合いのツケを記録する。奴僕宮なら友人も多く、付き合いだけの知り合いも多い。兄弟宮ならきょうだいは遊び好きで、それぞれ自分の暮らし。田宅宮なら居間がサロンのよう。福徳宮なら欲しいものリストが長い。遷移宮なら外に出てはじめて生き返る。桃花の星一つで恋愛・貧富・健康を決めつけると、いちばん読み違えやすくなります。命盤の同じ宮の星と四化に照らし合わせて見てください。
貪狼星は命主にもなります。命宮が子にある人は命主が貪狼星ですが、これは命宮に貪狼星が入っているかどうかとは別の話です。命主・身主の調べ方と読み方は、命主・身主の調べ方をご覧ください。