太陰星(たいいんせい)とは:性格・恋愛・仕事の特徴(紫微斗数)
同じ星でも、どの宮に入るか、どの星と組むかで意味が変わります。星一つだけで吉凶は決められません。
太陰星(たいいんせい)は紫微斗数で月の星にあたり、五行は水、化気(星の働きを一言で表したもの)は「富」で、田宅の主でもあります。月は自分では光りませんが、場の温度や気持ちを照らし出します。太陰星の人も同じで、内に秘め、感じ方が細やかで、何かしても大きな声では言いません。輝度(廟・旺・得地・利益・平和・不得地・陥の7段階)は、まずどの地支にあるかで見ます。亥・子・丑で「廟」、酉・戌・寅で「旺」、申で「利益」、卯・辰・巳で「陥」、午・未で「不得地」です。「陥」のときは細やかさが心配ごとの多さや夜の考えすぎに変わりやすく、「廟」「旺」のときは同じ細やかさがセンス・粘り強さ・守れるお金に変わることが多くなります。
太陰星の本質:月・陰の柔らかさ・内に秘める性格、住まいと安心感もつかさどる
太陰星が物事に向き合ったときの最初の反応は、感じ取ることです。空気が少しおかしいと、誰よりも早く気づきます。相手が口を開く前に、機嫌が悪いことがわかっています。衝突を表に出さないのは自分で選んだことで、弱さと取り違えないでください。譲れない線は深いところに埋まっていて、本当に踏まれると、その反発には驚かされます。
母性・不動産・美意識・感情は、この星では一本の線でつながっています。照明をちょうどよく調整し、部屋を眠れる状態に整え、一人の人を細かいところまで世話する。「居られる場所」があることが、太陰星にとっての安心だからです。この細やかさを空間・貯金・人の気持ちを守ることに使えば実力になり、我慢や人の感情を吸い取ることに使えば、内側の傷になります。太陽星(たいようせい)と比べるなら、太陽星は見てもらいたい星、太陰星は受け止めてもらいたい星です。
一生の課題:安心感は自分で育て、帳尻を夜に飲み込まない
表面は穏やかなのに、心の中ではいろいろな思いが渦巻いている。これが太陰星によく見られる姿です。人の気持ちを自分の心に抱え込み、世話上手である一方、すっかり空っぽにされやすくもあります。昼間は笑ってうなずき、夜になってから心の中で帳尻を合わせ始める。体がそのことを覚えています。太陰星が卯・辰・巳(陥)や午・未(不得地)にあるときは、この面がよりはっきりします。
練習したいのは、まず自分を人の感情から切り離してから、手を差し伸べるかどうかを決めることで、大ざっぱな人になる必要はありません。悲しければ言葉にし、疲れたら休む。眠れない、食べられないとなってから気づくのでは遅いのです。輝度が「廟」「旺」の太陰星でも、毎日夜更かしして無理を続けることはできません。「陥」の太陰星もちゃんと役に立ちますが、安心感は人に頼りきらず、自分の分を一つ残しておきましょう。
太陰星の仕事運・金運:裏方の細やかな仕事、波より水位が大事
仕事では、品質に細かさが求められ、人の世話をし、成果を毎日人前で発表しなくてよい立場が向いています。事務、編集、デザイン、研究、総務、看護、空間づくり、カスタマーサポートの品質管理などです。マイクを奪い合うのは好みませんが、誤字一つ、色のずれ一か所、手順の抜け穴を、自分自身が許せません。同じ宮に天機星(てんきせい)があれば企画や分析の参謀の道に進むことが多く、太陽星があれば表舞台に押し出されることが多く、天同星(てんどうせい)があれば人の和と安定した環境を大事にします。
お金は少しずつ流れる水のようなものです。給料、定期預金、住まいに関わる支出。気にかけているのは、今月いくら残っているかです。不動産、家のしつらえ、自分を安心させてくれるお金は、どれもこの財の星と関わりますが、関わるからといって必ず不動産を持つわけではありません。化禄が太陰星のいる財帛宮や田宅宮に入れば、生活費や住まいを整える縁が明るくなります。化忌が入れば、お金・家・安心感がくっついて離れなくなるので、まず手続きとお金の流れを整理しましょう。太陰星が見るのは貯金の水位で、何を買い、どう配分するかは、やはり自分のお金の状況で決めます。
太陰星の恋愛・人間関係:付き合う人は少なく、よく覚えていて、受け止めてもらいたい
友人の中では、付き合いの席も言い争いも好みません。飲み会は断れるなら断りますが、一対一の食事なら長く付き合います。みんなが何かあると太陰星に相談し、話を細かく聞き、誰が何を食べられないかまで覚えています。長く続く友人は、感情をぶつけに来るだけでなく、逆に太陰星が夜に何を考えているかを聞いてくれる人です。
恋愛では、細く長く流れる水のように愛します。お弁当のねぎを少なめにする、布団を先に温めておく、残業の日は明かりを一つつけておく。相手にこうした細かい気づかいをわかってほしいと思いますが、24時間べったりしている必要はありません。相手があまりに無頓着で、何を言っても「考えすぎだよ」と返されると、太陰星は少しずつ心を閉じていきます。しかも、表立って怒るとは限りません。
太陰星がよく読み違えられる点
太陰星は必ずおとなしくて優しい人だと思っている人がいます。外は柔らかく内は強い太陰星は多く、いざとなればとても決断が速く、ふだんは目立たないだけです。伝統的な女性像や家庭的な男性と同じものだと考える人もいますが、細やかさ、夜に考えごとが多いこと、住み心地を気にすることは、性別とは関係ありません。
太陰星は暮らすことしかできず、稼ぐのは苦手だと言う人もいます。お金を見せびらかさず、貯めることができ、暮らしを居心地よく整えられる。この点はよく過小評価されます。最後の誤解は、輝度が「廟」「旺」なら必ず家もお金もあり、「陥」なら役に立たないというものです。輝度が左右するのはこの星が力を発揮しやすいか、人の目に留まりやすいかで、貧富とは直接関係なく、不動産を持つことを保証するものでもありません。
化禄・化権・化科・化忌:丁は化禄、戊は化権、癸は化科、乙は化忌
太陰星の四化は、丁年に化禄、戊年に化権、癸年に化科、乙年に化忌です。化禄は暮らしの資源、世話をされること、住まいと気持ちの出口が開かれること。化権は裏方での采配で、家事・お金の流れ・誰が決めるかを見えないところで推し進めます。化科はセンス・書類・細やかで頼れる人と見られること。化忌は安心感の欠け、気持ちの浮き沈み、家とお金が心にまとわりつくことです。ただし太陰星が酉・戌・亥・子で化忌になるときについて、古書は「反為福論」としています。かえって福として論じる、という意味で、これらの宮では太陰星はもともと明るいのです。当サイトの四化表では、庚年にも太陰星が化科になります。ほかの本を読むときは、まずその本がどの四化表を使っているかを確かめてください。乙・丁・戊・庚・癸の五つの年の干それぞれの読み方は、別のコラム太陰星の四化の読み方にまとめています。
生年の四化は本命が持って生まれた、何度も出会うテーマです。大限(10年運)の四化はこの10年にどの宮が試験の場になり、どの宮が頼りになるかを見ます。流年(年運)の四化はその一年だけを見ます。
太陰星の化忌がある宮に、大限や流年の化忌がさらに重なると、二つの層が同じことにのしかかり、たいていは家・お金・家族のことを一度にきれいに片づける必要が出てきます。同じ線の一方に化禄、もう一方に化忌があるときは、世話をしてもらえる機会と不安が一緒にやってくることが多いので、まず具体的な望みを一つはっきり伝えてから、受けるかどうかを決めましょう。乙年は太陰星が化忌、同じ年に天機星が化禄。丁年は太陰星が化禄、同じ年に巨門星(こもんせい)が化忌。この二組はよく一緒に読みます。
十二宮のどこに入るかで味わいはがらりと変わる:大限・流年が回ってきた宮で練習する
同じ太陰星でも、命宮なら思いはすべて内に秘めています。夫妻宮なら恋愛はとろ火でじっくり煮込むようなものです。財帛宮なら毎日残りの貯金を気にかけ、田宅宮なら家は充電の場所、福徳宮なら夜も頭の中で会議が続き、疾厄宮なら気持ちが体に表れます。兄弟宮ならきょうだいは繊細で口数が少なく、奴僕宮なら友人は穏やかで女性に助けられることが多い。子女宮ならお互いの気持ちがうつり合い、官禄宮なら裏方の品質で稼ぎ、遷移宮なら外では話がまとまりやすく、父母宮なら目上の人は「ご飯食べた?」と聞いてくれるタイプです。
太陰星が同じ宮に入る組み合わせは三つだけです。寅・申で天機星と同じ宮(機陰)、丑・未で太陽星と同じ宮(日月)、子・午で天同星と同じ宮(同陰)。卯・酉、辰・戌、巳・亥の三組は単独で入り、向かいはそれぞれ天同星・太陽星・天機星です。大限や流年で太陰星のいる宮に回ってくると、その宮は気持ち・住まい・世話をされることのリズムに入ります。思いを口に出し、生活リズムを整えることが、その数年の課題です。