吉日選び

吉日の選び方:同じ日でも人によって吉日と凶日が分かれる三つの段階

同じ吉日でも、ある人には良い日、別の人には避けたい日になるのはなぜか。中国の暦で吉日を選ぶ三つの段階、誰にとっても同じ二段階と人によって変わる一段階、日本の吉日カレンダーとの違い、十の用事それぞれで見る項目を整理します。

吉日選びは、ある用事のために日を選ぶことです。中国の暦では、まずその日の暦がその用事に宜しいかを見て、次に大凶日を除き、最後にその日があなた自身に合うかを見ます。最初の二段階は誰にとっても同じで、三段階目で初めて人によって分かれます。だから同じ「嫁娶(結婚)に宜しい」日が、あるカップルには良い日でも、別のカップルには変えたほうがいい日になることがあります。

七殺遷移甲寅天同疾厄乙卯武曲財帛丙辰太陽子女丁巳破軍夫妻戊午天機兄弟己未太陰父母辛酉貪狼福徳身壬戌巨門田宅癸亥廉貞天相官禄甲子天梁奴僕乙丑紫微旺天府得命宮庚申木三局命主 廉貞 身主 文昌陽男
サンプル命盤:命宮を示しています。あなた自身の命盤ではありません

日本で吉日というと、大安などの六曜、一粒万倍日・天赦日・寅の日などの選日、十二直、二十八宿を並べた吉日カレンダーを思い浮かべる人が多いでしょう。こうしたカレンダーは誰にとっても同じ日を示すもので、ここでいう一段階目と二段階目にあたります。当サイトの吉日選びは六曜や日本の選日ではなく、中国の伝統的な暦書の宜忌をもとにし、そのうえで三段階目にあなたの干支と紫微斗数(しびとすう)の命盤を重ねます。

段階見るもの誰にとって同じか
一段階目:宜忌その日の暦にその用事が「宜」と書かれ、忌に入っていないかすべての人
二段階目:大凶日楊公忌・四離四絶・歳破・月破。用事によっては二分二至もすべての人
三段階目:あなた自身その日があなたの干支に冲(ちゅう)するか、あなたの命盤で流日四化がどこに入るか人によって違う

暦に吉日はたくさんあるのに、絞ると数日しか残らない理由

暦をめくると、2027年に入宅と移徙(引っ越し)の両方に宜しい日は91日あり、たくさんあるように見えます。二段階目で大凶日を除くと79日、三段階目であなたの干支に冲する日を除くと、午年生まれの人なら72日になります。さらに命盤を見ると、一日も減らない人もいれば、56日まで減る人もいます。週末や休日でもう一度絞れば、本当に使える日は数日しか残りません。

これは選ぶ人が細かすぎるからではありません。最初の二段階は「この日は引っ越しに向くか」に答え、三段階目は「この日はあなたが引っ越すのに向くか」に答えているのです。

一段階目:暦の宜忌はどこから来るか

宜忌は適当に書かれているわけではありません。『協紀弁方書』巻十一の序は「鋪註万年書、則以事為経、以神為緯」とし、まず行う事を並べ、その日にどの神煞が当たっているかを見ます。そしてその事に宜しい神煞と忌む神煞を「較量其吉凶之軽重」(巻十〈鋪註条例〉)、つまり吉凶の重さを比べて、宜と記すか忌と記すかを決めます。毎日どの神が当たるかは、その月の月建(その月の十二支)とその日の干支で決まります。

月建は旧暦の一日ではなく節気で切り替わります。立春からが寅の月、啓蟄からが卯の月と続き、小寒からが丑の月です。月破を数え間違える人が多いのは、旧暦の月で合わせてしまうからです。

二段階目:誰にとっても避ける大凶日

当サイトでは、どの用事でも次の日を除きます。

  • 楊公忌:一年に十三日。
  • 四離四絶:春分・夏至・秋分・冬至と、立春・立夏・立秋・立冬の前日。
  • 歳破・月破:その日の十二支が年の十二支に冲する日、月建に冲する日。

数え方と由来は月破・歳破とはにまとめています。

結婚・婚約・引っ越し・開業と仕事始め・契約・納車では、さらに二分二至の当日を避けます。根拠は『協紀弁方書』巻十が、この日は「雖吉日亦不註」(吉日でも記さない)として嫁娶・般移・開市・立券交易などを挙げていることです。

三段階目:同じ日なのに、あなたと誰かで違う理由

三段階目には二つの関門があります。一つ目は干支の冲です。その日の十二支があなたの生まれ年の十二支に冲すれば、その日は選びません。詳しくは相性の悪い干支「冲」とはをご覧ください。干支は命盤の一文字しか使わないので、同じ年に生まれた人はみな同じになります。

二つ目はあなた自身の紫微斗数の命盤です。流日四化はその日の天干から出し、丁の日なら太陰星(たいいんせい)化禄・天同星(てんどうせい)化権・天機星(てんきせい)化科・巨門星(こもんせい)化忌で、同じ日なら世界中どこでも同じです。違いは、この四つの星があなたの命盤のどの宮にあるかです。

当サイトのプログラムで実際に計算した例を挙げます。二人とも1990年生まれの午年で、2027年の引っ越しの日を選びます。最初の二段階と干支の冲を通すと、二人とも同じ72日が残ります。一人は命宮に紫微星(しびせい)があり田宅宮に主星がなく、もう一人は命宮に天同星と巨門星があります。2027年3月9日(火、旧暦二月二日、丁亥の日)は巨門星が化忌になり、この化忌は二人目の命宮に入るので、二人目はこの日を選びません。一人目は命宮も田宅宮も当たらないので、そのまま引っ越せます。一年分を計算すると、一人目は72日すべてが残り、二人目は56日になります。

そこで当サイトの決まりは次のとおりです。流日化忌がその用事で見る宮か命宮に入る日は選びません。化禄・化権・化科がその用事の宮に入る日は優先します。流日は一日だけを見るもので、大事の判断には使いません。読み方は流月・流日の見方、紫微斗数で日を選べる範囲は吉日を占う:紫微斗数で日取りは選べる?をご覧ください。

十の用事でそれぞれ見る「宜」

用事見る宜ほかに避けるもの命盤で見る宮詳しく
結婚嫁娶八専日、二分二至、二人に冲する日夫妻宮入籍日・結婚式の日取り
婚約納采か訂盟八専日、二分二至、二人に冲する日夫妻宮入籍日・結婚式の日取り
引っ越し入宅と移徙の両方二分二至田宅宮引っ越しの吉日
安床安床相手を入れたら二人に冲する日田宅宮、夫妻宮「安床」の考え方
開業・仕事始め開市二分二至官禄宮、財帛宮仕事始め・開業の吉日
契約立券か交易二分二至財帛宮、官禄宮仕事始め・開業の吉日
リフォーム動土か修造土府・土符・地嚢田宅宮地鎮祭・リフォームの日取り
遠出出行なし遷移宮
納車交易か立券。両方とも忌に入らない二分二至財帛宮納車の吉日
散髪理髪丁の日、旧暦十二日・十五日命宮髪を切るのに縁起のいい日

どの用事でも、さらに二段階目の大凶日と干支の冲を通します。時刻はすべて日中の黄道の時刻から選び、あなた(とお相手)に冲する時刻を除きます。

混同されやすい三つの言葉

建除十二神:建・除・満・平・定・執・破・危・成・収・開・閉が一日ずつ巡り、月建とその日の十二支で決まります。日本の暦注の十二直と同じもので、日本では「収」を「納」と書きます。月破の日は必ず「破」の日です。

黄道と黒道:青龍・明堂・金匱・天徳・玉堂・司命が黄道、天刑・朱雀・白虎・天牢・玄武・勾陳が黒道で、建除とは別の体系です。『協紀弁方書』巻七は「通書又専用之以選時」(暦書はもっぱらこれで時刻を選ぶ)としていて、当サイトが時刻を選ぶときに使うのもこの体系です。

冲と煞:暦に書かれる「冲鼠煞北」の冲は干支、煞は方角のことです。詳しくは相性の悪い干支「冲」とはをご覧ください。

吉日の選び方はそれぞれ何を受け持つか

暦書の宜忌は「この日はこの用事に向くか」に答えます。干支の冲は十二分の一の人だけを除きます。八字(四柱推命)による日取りは喜用神を見る必要があり、当サイトではこの段階は行いません。紫微斗数の流日は「この日はあなたにとって順調か」に答えますが、前の二段階の代わりにはならないので、当サイトでは最後に置いています。当サイトは暦の宜忌、干支の冲、紫微斗数の流日四化の三つで絞り、どの手順もプログラムで計算していて、感覚で足したり引いたりはしません。

まずあなたの生年月日で命盤を作成すると、ページの最後でその命盤に合わせて日を選べます。別の用事なら吉日選びのページで選び直せます。同じ日でも人によって結果は変わります。暦が示すのはみんなで共有する土台で、その日があなたの日かどうかは、あなたの命盤が決めます。