紫微斗数Q&A

前世占い:命盤で前世やカルマはわかるのか、紫微斗数の正直な答え

前世占いで「あの人とは前世からの縁?」と知りたい方へ。紫微斗数の命盤には前世の欄がなく、福徳宮で前世を見る読み方も紫微家ではとりません。そのかわり命盤で読めるカルマ、つまり化忌が示す繰り返しの癖と、その練り方がわかります。

「あの人とは前世で知り合っていたのでは」「私は前世の借りを返しに来たのでは」「この子は前世の貸しを取り立てに来たのでは」。前世占いへの相談は昔から絶えません。こう尋ねたくなるのは、たいてい目の前の苦しさに説明がほしいからです。なぜ私なのか、と。はっきり言うと、紫微斗数(しびとすう)の命盤には前世という欄がありません。よく耳にする「福徳宮で前世を見る」という読み方も紫微家ではとりません。福徳宮が示すのは、あなたの心がどちらへ向かうかです。ただ、繰り返し現れる課題は確かにあり、命盤が役に立つのはまさにその部分です。紫微家では「借りを返す」「取り立てに来た」といったレッテルは使いません。

貪狼命壬寅天機巨門父母癸卯紫微天相福徳身甲辰天梁田宅乙巳七殺官禄丙午奴僕丁未廉貞遷移戊申疾厄己酉破軍財帛庚戌天同子女辛亥太陽太陰兄弟癸丑武曲旺忌天府廟夫妻宮壬子金四局命主 禄存 身主 文昌陽女
サンプル命盤:夫妻宮を示しています。あなた自身の命盤ではありません

命盤には「前世」のデータがない

紫微斗数に入れる情報はシンプルで、生まれた年月日と時刻、性別だけです。十二宮も星も四化も、すべてこの数項目から計算されます。前世は別の人の人生で、入力に含まれていないものは出力にも出てきません。生年月日で前世を占うという話を聞いても、紫微斗数の命盤から「あなたの前世はこういう人だった」と言うなら、それは後から付け足された物語で、命盤からは計算できません。

前世を否定したいわけではありません。命盤にそのデータがないので、紫微斗数では前世を証明することも否定することもできません。信じるかどうかとは関係なく、道具としてできないことです。見えないものは見えないと言うほうが、もっともらしい答えをこしらえるより誠実です。命盤で前世を確かめたい人には、まずこのことを知っておいてほしいのです。前世についての説明を命盤は出せません。出せるのは、もっと使い道のある別の説明です。

前世とは、この人生の前に別の人生があり、この後にも次の人生があるという考え方です。このコラムではその真偽は扱いません。扱うのは、それを命盤に当てはめたときに起きることです。それは、あなたの命盤にデータのない欄を一つ増やし、その欄でいまの行き詰まりを説明しようとすることに等しいのです。行き詰まりを説明するなら、化忌がどの宮にあるかのほうが、前世の物語より具体的です。

催眠で見えた前世の場面

催眠や瞑想の中で浮かぶ場面の多くは、そのときの感情、記憶のかけら、暗示が組み合わさってできたもので、昔のファイルを呼び出しているわけではありません。場面が具体的で胸を打つほど信じやすくなりますが、本物のように感じたのは、そのときあなたが深く入り込んでいたということで、場面がどこから来たかの証明にはなりません。命盤には前世の欄すらないので、催眠で見たのが誰なのかを確かめることもできません。場面を自分を理解する手がかりにするのはかまいませんが、ある人があなたに借りがある証拠にすると、二人とも縛られてしまいます。

前世の物語はなぜ信じやすいのか

強い既視感、初対面なのに昔から知っているような縁、言葉にできない負い目。こうした体験は本物なので、「私たちは前世でつながっていたに違いない」という説明はとても納得しやすく、ソウルメイトやツインレイ、因縁といった前世の物語が好まれるのもそのためです。占いの場での前世の物語は、多くの場合こうしてできあがります。あなたが期待を持って座り、占い師はあなたの反応を見て方向を修正し、「前世の台本」が少しずつ形になっていきます。この流れは紫微斗数はなぜ当たっているように聞こえるのかで詳しく解説しました。物語がいまの気持ちに寄り添うほど言い当てられたと感じますが、当たっているのは実はあなたの期待です。

カルマを言い換えると「癖」

カルマを、前世でつくった借金と考える必要はありません。目に見えて変えられるものに置き換えてみましょう。それが癖です。この人生で何度も同じ落とし穴にはまる。恋愛のたびに同じところでつまずく、少しお金が貯まるたびに同じような予定外の出費がある、どの職場でも同じような人間関係の問題で辞めてしまう。これがカルマの働きです。

命盤の上では、癖の場所はたいていはっきりしています。化忌がある宮が、あなたが繰り返しつまずく分野です。夫妻宮に化忌がある人は、どの関係でも同じ種類の誤解を繰り返すかもしれません。財帛宮に化忌がある人は、同じ種類のお金の失敗を繰り返すかもしれません。化忌の基本は四化とはで、場面が変わっても同じ痛みが続く理由はなぜいつも同じ落とし穴にはまるのかで読めます。

カルマ占いより役に立つ「課題のリスト」

「前世の借り」を「この人生の課題」に言い換えると、使い方が変わります。借りだと言われれば、耐えるか、返すか、あきらめるしかありません。課題だと考えれば、練習し、調整し、やり方を変えられます。同じ命盤でも、前者の言い方ではその場から動けず、後者の言い方ならどこを練習すればいいかがわかります。恋愛で同じところにつまずく人の課題は、言葉にしてはっきり伝えること。お金で同じ失敗を繰り返す人の課題は、手をつけない蓄えをつくることです。

命盤が繰り返しつまずく場所を示すのは、そこを避けたり練習したりできるようにするためで、毎回落ちて「やはり逃れられない」と確かめ直すためではありません。課題がやり終えられていないと輪廻のように見えますが、一度きちんとやり終えれば、同じことが来ても違う対応ができるようになります。

関係の中では、二人の癖がかみ合っている

「カルマの相手」「取り立てに来た子ども」といったレッテルのいちばんの害は、関係を貸し借りの関係にしてしまうことです。あなたが我慢し、相手が借りている。それでは誰も幸せになれません。もっと現実的な読み方は、関係の難しさの多くは二人の癖がかみ合ってしまったもの、と考えることです。あなたが距離を取ると相手が問い詰め、あなたが節約すると相手は使いたがる。どちらもどちらにも借りはなく、二つの習慣を話し合いのテーブルに載せる必要があるだけです。行き詰まったら「前世で何があったのか」ではなく「今回もまた同じところでつまずいていないか」と問うほうが役に立ちます。

前世を信じるかどうかはあなたの自由です。命盤から読めるのは癖で、それはこの人生のうちに練り直せます。自分が繰り返す課題がどの宮にあり、化忌が何を知らせているかを見たい方は、命盤を作成して十二宮を一度広げて照らし合わせてみてください。基本の読み方から始めたい方は紫微斗数の命盤の見方からどうぞ。