紫微斗数の天傷・天使とは:疾厄宮の天使は病気のしるしではない
紫微斗数の天傷・天使は誰の命盤にもある星です。紫微家の命盤では天使は必ず疾厄宮、天傷は必ず奴僕宮に入り、病気になりやすいかどうかとは関係ありません。古典の記述、運限がこの二つの宮に入る年の見方、遷移宮を挟む形まで説明します。
天傷・天使は、紫微斗数(しびとすう)の雑曜(小さな星)の二つで、誰の命盤にもあります。置き方は決まっていて、天使星(てんしせい)は必ず疾厄宮、天傷星(てんしょうせい)は必ず奴僕宮に入ります。どの命盤でも同じです。ですから自分の疾厄宮に天使があっても、特に病気になりやすいという意味にはなりません。誰の命盤にもある星で、健康の良し悪しとは関係がありません。
天傷・天使の置き方
『紫微斗数全書』巻三「安天傷天使訣」には「天傷安在奴僕宮、天使安在疾厄」(天傷は奴僕宮に置き、天使は疾厄宮に置く)とあります。紫微家の命盤作成プログラムもこの置き方に従っていて、何年何月の何時に生まれても、天傷は奴僕宮、天使は疾厄宮です。
誰にでもあり、どの人の命盤でも同じ位置にあるのですから、この星で誰の体が弱いかを分けることはできません。疾厄宮を読むときの要点は主星、四化、運限です。詳しくは疾厄宮で大きな病気はわかるのかをご覧ください。
古典は天傷・天使をどう書いているか
巻一「諸星問答論」には「天傷乃上天虚耗之神、天使乃上天伝使之神。太歳二限逢之、不問得地否、只要吉多為福、其禍稍軽」とあります。天傷は天の消耗をつかさどる神、天使は天の使いの神で、太歳や二限、つまり流年や大限などの運限がこれに出会っても、得地かどうかを問わず、吉星が多ければ福となり、災いは少し軽くなる、という意味です。
ここには要点が二つあります。一つは、古典が天傷・天使について語っているのは運限、つまり流年や大限がこの二つの星に巡ってきたときのことで、生まれつきどうなるという話ではないこと。もう一つは、条件が書かれていることです。同じ宮に吉星が多ければ影響は軽くなります。天使の「使」は言葉を伝える使者のことで、西洋のエンジェルとは別物です。
疾厄宮の天使は病気のしるしではない
疾厄宮が表すのは、生活のリズム、ストレスのたまり方、疲れたときの回復の仕方です。天使がここにあるのは決まった置き方で、誰でも同じです。疾厄宮を読むときは天使はいったん飛ばして、次の順で見てください。
- 疾厄宮にどの主星が入っているか。主星がなければ対宮の父母宮の主星を借ります。
- 生年の化忌がここに入っていないか。
- 擎羊星(けいようせい)、陀羅星(だらせい)、火星(かせい)、鈴星(れいせい)、地空星(ちくうせい)、地劫星(ちこうせい)がこの宮にないか。
- 大限や流年がこの宮に巡っていないか。
命盤が示すのは傾向で、どんな病気になるかは推し量れません。体の不調は、いつもどおり医療機関にかかってください。疾厄宮の読み方の全体は疾厄宮で見る健康にまとめています。
疾厄宮の天使にお祓いは必要か
必要ありません。疾厄宮の天使は誰にでもある配置で、人によって多かったり影響が重かったりすることはないので、何かを祓う必要もありません。本当にできることは天使とは関係なく、生活リズムを整える、疲れたら休む、定期的に健康診断を受ける、体調が悪ければ医療機関に行く、ということです。ネットで「疾厄宮に天使があれば特に注意」といった説明を見かけたら、それはたいてい、誰にでもある星を一部の人だけのしるしとして読んでしまったものです。
奴僕宮の天傷
天傷は必ず奴僕宮にあり、これも誰にでもあります。奴僕宮が表すのは友人、同僚、一緒に仕事をする相手です。天傷がここにあっても、あなたの周りに害をなす人が特に多いという意味にはなりません。紫微家の読み方では、運限が奴僕宮に巡る年は、付き合いにかかる出費や消耗が目に見えやすくなります。お金の貸し借り、保証人、共同出資は、先に条件をはっきりさせておけば十分です。
運限が疾厄宮・奴僕宮に入る年
古典の「太歳二限逢之」に従えば、気をつけたいのは運限がこの二つの宮に巡ってきたときです。紫微家の命盤に当てはめると、二つの場合があります。
- 流年の命宮が本命の疾厄宮に入る年:その年の地支が、ちょうどあなたの本命の疾厄宮の位置にあたる年です。自分の調子が生活リズムや体力に出やすいので、休みをきちんと予定に入れましょう。
- 流年の命宮が本命の奴僕宮に入る年:友人、同僚、仕事相手との用事が多くなる年です。付き合いの貸し借りをはっきり記録しておきましょう。
大限(10年運)がこの二つの宮に入る10年も、同じ方向で読みます。古典は「吉多為福」と書いています。同じ宮に左輔星(さほせい)、右弼星(うひつせい)、天魁星(てんかいせい)、天鉞星(てんえつせい)、化禄、化科のような吉星があれば、影響は軽くなります。流年で宮をどう対応させるかは流年の十二宮の見方にあります。
天傷・天使は必ず遷移宮を挟む
十二宮の並びでは、疾厄宮と奴僕宮はちょうど遷移宮の両隣にあります。ですから天使と天傷は、必ず左右から遷移宮を挟みます。巻三の同じ箇所には「身与歳限夾在傷使中間、謂之奴夾地、更加悪曜、多凶」(身宮や歳限が天傷・天使のあいだに挟まれるのを奴夾地といい、さらに悪い星が加われば凶が多い)とあります。紫微家の命盤では、身宮が遷移宮にある人、あるいは運限が本命の遷移宮に巡ったときがこれにあたります。古典の条件は、そこにさらに悪い星が加わることです。身宮が遷移宮にあり、遷移宮に擎羊・陀羅・火星・鈴星もある人は、外出先や環境が変わるときに少し余裕を持たせておくとよいでしょう。これらの星がなければ、ふつうの遷移宮として読めば大丈夫です。
無料で命盤を作成して、まず天使が疾厄宮、天傷が奴僕宮にあることを確かめ、それから疾厄宮に入っている主星を見てください。誰にでもある星を正しく読めれば、心配ごとが一つ減ります。