応用編

紫微斗数の飛星派(欽天四化)と三合派の違い:二つの読み方の選び方

欽天四化に代表される飛星派と三合派は、どちらかが間違っているのではなく、答える問いの層が違います。三合派は体質と10年のテーマ、飛星派は宮と宮のつながりを見ます。比較表と、問いによる使い分け、答えが食い違うときの確かめ方をまとめました。

はじめに当サイトの立場を書いておきます。各宮の宮干から四化を飛ばすのは飛星派の読み方で、日本では欽天四化(きんてんしか)という名前でも紹介されている流れです。当サイトの命盤作成と鑑定書ではこれを使いません。当サイトは三合派の読み方で、四化は生年、大限(10年運)、流年(年運)それぞれの天干から出します(今月の運勢では流月(月運)も加えます)。

七殺遷移甲寅天同疾厄乙卯武曲財帛丙辰太陽子女丁巳破軍夫妻戊午天機兄弟己未太陰父母辛酉貪狼福徳身壬戌巨門田宅癸亥廉貞天相官禄甲子天梁奴僕乙丑紫微旺天府得命宮庚申木三局命主 廉貞 身主 文昌陽男
サンプル命盤:命宮を示しています。あなた自身の命盤ではありません

飛星派と三合派は、同じ命盤の二つの読み方です。三合派は生年四化、格局、大限と流年を使い、「あなたはどんな人で、この10年のテーマはどこにあるか」に答えます。飛星派は各宮の宮干から化禄・化権・化科・化忌を飛ばし、「この宮があの宮に何をしているか」に答えます。四化の四つの意味は四化とは、閏月生まれの生年や飛宮の取り方は閏月生まれの命盤の作り方をご覧ください。このコラムでは、二つの違い、選び方、どんなときに読み違えるかだけを扱います。

三合派と飛星派はそれぞれどの層を見るか

三合派の骨組みは、本命の星、輝度、三方からの会照に、生年四化と大限・流年の四化を加えたものです。得意なのは体質を定めることです。命宮に天府星(てんぷせい)がある人はどう守るか、官禄宮に七殺星(しちさつせい)がある人はどう攻めるか、生年の化忌がどの宮に入り、どの分野を一生かけて強く握りしめやすいか。格局の名前もこの言語の略記です。格局とはをご覧ください。

飛星派の骨組みは宮干です。どの宮にも天干があり、その天干から化禄・化権・化科・化忌が一組飛び出し、それがどの宮に入るか、自分の宮で化すか(自化)を見ます。得意なのは宮と宮のやりとりを語ることです。官禄宮の化忌が夫妻宮に入れば、仕事で手放せないことが恋愛に影響します。財帛宮の化禄が田宅宮に入れば、お金が家に貯まりやすくなります。よく話題になる禄と忌の連鎖は循環禄忌で説明していますが、これも飛宮を使う読み方です。

三合派飛星派(欽天四化など)
四化をどこから出すか生年・大限・流年の天干各宮の宮干からさらに飛ばす
得意な問い性格、10年のテーマ、宮の土台その出来事がどの宮につながるか
よく使う道具格局、三方の会照、輝度化入、化出、自化
読み違えたときの姿一時期のことを一生のことにする一本の飛線を呪いのように語る

当サイトの命盤は、生年四化という三合派の線を主軸にしています。飛宮は、本命の上にもう一層加えるものです。

飛星派の紫微斗数は主に何を見ているか

飛星派は、十二宮どうしの引っ張り合いを主な筋として見ます。化禄・化権・化科・化忌が宮から宮へどう飛ぶか、どの宮が引き上げられ、どの宮が詰まるかを見て、「この出来事はどこに波及するか」に答えます。よく取り上げられるのは、飛宮、自化、忌転忌、禄忌同線といった連鎖の読み方で、材料は星そのものより宮どうしの関係が中心です。飛星派は格局や輝度をそれほど重視しないので、三合派の外側に重ねるもう一層として使うのが向いていて、本命の性格はやはり三合派の読みを基準にします。

問いによって使い分ける

まず問いを分類します。「自分はフリーランスに向いているか」「この10年は仕事が中心であり続けるか」と問うなら三合派です。命宮、官禄宮、財帛宮を見て、大限を重ねます。「この仕事は結婚生活に影響するか」「このお金は家から漏れていかないか」と問うなら飛星派です。官禄宮から夫妻宮へ、財帛宮から田宅宮や福徳宮へ何が飛んでいるかを見ます。

仮の例を挙げます。三合派で見ると命盤ははっきりしていて、命宮は天同星(てんどうせい)、官禄宮は天機星(てんきせい)、丙年生まれで天機の化権が官禄宮に入っています。体質としては、本人は穏やかに過ごしたいのに、仕事では決断を背負わされます。この10年は大限も官禄宮で、役職が前に押し出されます。本人が本当に聞きたいのは「もう一段昇進したら、家庭でのいさかいが増えないか」です。ここではじめて飛星派を加えます。官禄宮の宮干の化忌が夫妻宮に入っていれば、仕事の重圧が家に持ち込まれやすいという意味で、命に愛情がないということではありません。二つを合わせると、答えは「昇進はできるが、先に家族と勤務時間について話し合い、家では仕事の話を減らす」になります。どちらか一方だけだと、「命がよいから問題ない」か「化忌があるから昇進できない」のどちらかになってしまいます。

どちらの派を使うかは、何を問うかで決まります。同じ出来事でも、三合派は全体の性格とテーマを、飛星派は具体的にどの二つの宮が引き合っているかを説明します。根拠を言えない説明は、すぐには信じないでください。

二つの答えが食い違うとき

まず入力を確かめます。生年月日、時刻、暦の入力が違っていれば、どちらの派も一緒にずれます。次に、相手が生年四化を使っているのか飛宮を使っているのか、大限も一緒に見ているのかを確かめます。三つ目に、ようやく実生活で検証します。性格と大きな出来事がどちらの層に合うかを見て、合うほうを使い、合わない一文はひとまず仮説として置いておきます。当たるかどうかの確かめ方は紫微斗数は当たるのかをご覧ください。

よくある読み違いは三つあります。一つは、飛星派の一本の忌の線で、三合派ですでに読めている性格の土台をくつがえしてしまうこと。もう一つは、三合派の格局の名前で、飛星派が示した具体的なつながりを否定してしまうこと。三つ目は、閏月の扱いや夜子の刻の日付の切り替えといった決まりの違いを、どちらの派が当たるかの話にしてしまうことです。それは命盤作成の設定の違いにすぎません。

自化は飛星派で「宮が自分自身に働きかける」という読み方で、生年の化忌とは別のものです。宮干からの飛線を描いていないのに、本命の化忌をそのまま自化と呼ばないでください。命盤を作成したら、まず生年四化と大限の位置を読み、本当に宮と宮のつながりを問いたくなったときに、飛線を描き足してください。